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笑う警官 佐々木譲著

警察小説、というジャンルが確立されたのはいつ頃だろーか。そんな括りができる前からもちろん「警察そのものが主体となるような話」は数多くあって、それが単純に「刑事が事件を解決する」ではなく、警察機構そのものや、キャリア(東大出身)とノンキャリアの軋轢、あるいは組織の内情に深く関わってくるようなモノが「警察小説」と呼ばれるに至ったのか。ともかくやたら「警察小説」なるものが目につくようになったのはここ最近だと思う。

昨日「読了まであと1/3くらい」と言ってたこの本は、通勤電車では読みきらず、帰宅して紅茶とおにぎり(今日そば屋で余ったもの)を手に、たったいま、読み終わったところ。一気読みしたくなるほどおもしろかったのか、とゆーと残念ながらそーではない。むしろ逆で“何がいけないんだろー”と思いながら読んだ次第。さっさと読了して次に行こう、とゆーかね。

あるマンションの一室で婦人警官が殺される。即、交際していた警官は指名手配、そして「拳銃所持と覚せい剤所有の可能性アリ」として射殺命令が下される。現場検証をしていた警察官たちはすぐ退去させられ、覚せい剤を発見してはいない。そもそも交際していたというだけで、非番である彼にそんなに簡単に射殺命令がくだされるものなのか?かつて一度その警官と組んだことのある刑事は疑問を持ち、その疑問すら封じられる空気に独自の捜査を始める。そしてその警官は翌日の、北海道道警の裏金問題に関する査問委員会で証言する予定だったことがわかる。翌日のその査問委員会で彼に証言して欲しくない道警本部の思惑が透けて見える中、指名手配と同時に射殺命令を受けた彼を救うべく、少数精鋭たちが「正規ではない捜査」に動き出す。タイムリミットは15時間余り。彼を無事に委員会に送り届けるまで。だが、その入り口で阻まれる可能性もあり、彼を匿いつつ、真犯人を挙げて命令を撤回させなくてはならないのだ。

つまりこの小説は、たった1日の話だ。限られた時間の中で、限られた人数で、事件を解決しなくてはならない。だから、もっとドキドキしていいはずだ、と思ってしまう。展開が読めても、だ。何がいけないのかあたし自身もよくわからないのだけど、組織にいる人間がその組織に対して戦いを挑む、という形は決して目新しくはないのだから、それは「いかに調理するか」だと思う。多分、他の作家が同じ材料で(同じ展開と同じ結末で)調理したら、また別の料理になるのではいないか。そんなことすら思ってしまった。
警察の隠語で、証言することを「うたう」と言う。この本も、映画化が決定する前までは『うたう警官』だったそーだ。それでよかったのに何で『笑う警官』にしたんだろう。(映画監督が「わかりにくい」と言ったからだそーだけど) 読み始めて「うたう」の意味がわかる。それでいーのにな。

主人公の佐伯をはじめ、登場人物たちがあたしには魅力的でなかったってのもあるな、と読後に思った。冤罪は許せないが、自分たち警察を裏切って「うたう」のも許せない、という人警官がいる。少数精鋭の中にいる裏切り者は誰か。そのあたりのスリリングさも欠けてて、話は(決して派手ではないにせよ)、悪くないのになぁ、と思ってしまった。残念。映画も観ないで正解かもだ。

今日のそば屋は、かなりラクな方だったにもかかわらず腰にきて、2連勤務はやっぱ疲れるのだな、と思った。その前まで集中してちぎっていたせいもあるかもだけど。
明日は「ちぎちぎマシン」の日。完成できたらその後がラクなんだけどなぁ、どーかなぁ。自分ゴホウビに録画してた映画でも観られるといーんだけどなぁ。
Commented by 花車 at 2010-01-20 11:08 x
「笑う警官」といったら、マイ・シューヴァルの名作が思い浮かぶので、佐々木さんだしどうしようかな~と思っていたのです。
映画は大森南朋さんだし魅力はあったのですけど…。
参考にさせてもらいました(^u^)最近ノンフィクションばっかりで、ちょっとつらいので、泉鏡花を読み直している昨今です~
Commented by 雪丸 at 2010-01-21 00:29 x
花車さん、こんにちは!です。その名作(あたしは未読なのだけど)、作家もちょっと意識したみたいですよ。映画は酷評されてたので、だったら原作は、とちと期待しすぎてたかもです(^^;) 次は『ハゲタカ2』にでもいこうかな、大森さんつながりで(笑)

ノンフィクションばかりだと、ずしんと重くなりませんか。なのであたしは一度にいっぱいは読めないです…。次に会うとき、ススメられるものを読んでおきますね(笑)
Commented by 花車 at 2010-01-21 09:37 x
いつもありがとうございます!資料ばっかりで頭がくらくらです~。

そうそう『ハゲタカ』映画をやっと観ましたよ~。面白かった。大友監督は今『龍馬伝』もやっているから、キャストがかぶっていてうれしかったりしています。
余談でした~。
腰、じっくりかまえて治していきましょうね。仕事が仕事だから大変だと思うのですが。午後の病院は避けたい気持ちよくわかる(^_^;)
Commented by 雪丸 at 2010-01-22 01:04 x
花車さん、再びこんにちはですー。そーですか、「ハゲタカ」観ましたか。うらやましーです。ドラマの再放送、やらないかなぁ~(笑)

腰は、ホントによくなるのかなぁと思う今日この頃なんですが、とりあえず重症ではないので、がんばって腹筋鍛えます!お気遣い、感謝です!
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by yukimaru156 | 2010-01-20 02:31 | 行った観た読んだ | Comments(4)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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