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猟奇的な彼女

01年 韓国
まずタイトルがすごいと思う。「暴力的」とか「野生的」とかじゃなくて「猟奇的」だよ?『セブン』みたいな(プラピ主演の映画)、グロテスクな殺人事件の話のときくらいしか使わない単語だ。でもそれが返って新鮮だったのではないかと思う。これが単純に『暴力的な彼女』というタイトルだったら、結構ありきたりで興味も半減してた気がするし。

ずっと気になってたくせに何となく観る機会を逸してた。公開当時から結構な話題になってたと思うのだけど、もー9年も前になるんだな、とちょっとびっくり。いまさらなんだけど、このテの韓国映画って、俳優陣たちが日本語吹き替えで喋ってたとしたら邦画かどうかの区別がつかないなと思った。街中の風景にしろ、ちょっとした田舎にしろ、若者たちがチゲ鍋をつついてたりしてても、「これは邦画だよ」と言われたら素直に納得してしまいそうだ。ま、「夜中の遊園地に忍び込んで銃を持った脱走兵と出くわす」なんつーシチュエーションは日本ではまずないと思うけど。

主人公のキョヌが彼女と初めて出会うシーンからしてすごい。電車内で、「好みだけど酔っ払いはキライだ」と思うとーり、彼女はもー完全な酩酊状態。で、いまにも吐きそう…てとこで、やっぱり吐く。それもどかっと、乗客の頭の上に。うわっ、やっちゃった、だ。それも悪びれた様子もなく2度3度。これだけでドン引きだけど、あろーことか彼女はキョヌを振り返り、こう言うのだ。『ダーリン…』。そしてばたんきゅう。乗客の目はいっせいに彼に向けられ、「彼女がこんな状態なのに放っておくのか」「何とかしろ」と責められ、他人だと言っても信じてはもらえずさらにドツボに陥る。うぅー、かあいそー。
駅に放り出すわけにもいかず、ホテルに寝かせて帰ろうとすると警察に拘束され、さんざんな目に遭うのに、これは序の口。「恋人」どころか「友達」ですらないのに、いつのまにか彼女のペースにはめられ、容姿は好みのタイプでもあるから(もともとが優柔不断な性格でもあり)、すぱっと関係を断ち切ることができない。ま、確かに彼女は暴力的ではあるのだけど、「猟奇的」というよりは単純に「自己中的」だ。こっちの気持ちや都合を考えたことない、という意味で。

彼女のその言いたい放題な性格(キョヌに対してに限らず、居酒屋で援助交際らしきカップルにいきなり食ってかかるとか、煙草のポイ捨てにキレるとか)はどこか憎めないとこもある。あるけど、この状態では「お友だち」を脱出するのは不可能ねー、と思ってたら、彼女の態度や振る舞いにも相応の理由があって、キョヌ自身がそれに気づいたあたりから展開も変化し、ちょっと切なくなるシーンもちゃんと用意されてたりする。
ラスト近く、見知らぬ男性がこんなことを言う。
『運命は、努力してきた人にだけ「偶然の橋」をかけてくれるんだよ』
いい言葉だー。そしてラスト。切なさを残して終わるのかと思ったら、(ある意味ではお約束の)「偶然の橋」がかかる。そーだろなとわかってはいてもちょっとほっとするし、そして今度はまた違う関係に(やっと)なれるのだな、と思える。このまま自己中で突っ走るのも悪くなかったかもだけどさ。

今日は買い物に2度も出た。さすがにちょいと腰にきた。チャリはよいのだけど、坂道をえっちらおっちらこぐとくるみたいだ。そんで、先日リョーシンが千葉某所に行ったときにもらった大量の夏みかんでママレードを作った。(なぜ夏みかん(柑橘系?)に限って「〇〇ジャム」ではなくて「ママレード」と呼ぶのだろう) ジャムは鍋でぐつぐつするけど、ママレードのときは圧力鍋でやる。皮むきはちと大変だけど、3つで結構いっぱい出来た。1日のお花見に持参するつもりだ。
って、こんなに楽しみにしてるのに何よ、この寒さ!明日はもっと寒いって?!(そば屋なのに!) 近所の桜が咲いたって、ぜんっぜん「春だー」って気がしないじゃん!しかも何かいま「びゅーびゅー」と北風みたいな寒そうな音たてて風が吹いてるし…っとにおかしな天気だ。ちゃんと春が来るのかなぁ。
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by yukimaru156 | 2010-03-30 00:52 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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