君に届け

2010年 日本
原作を(10巻までだけど)読了したので観てみた。いまは16、7巻くらいまで行ってるんだと思うけど、2時間映画では「端折りつつ10巻まで」てとこだろな、と思って。そのとーりだった。

主人公の爽子は、外見がホラー映画「リング」の貞子に似てるところから「貞子」と呼ばれてる。黒髪おかっぱロングなので、ただでさえ陰気に見えるところへ、人と接することに慣れてないから笑顔が引きつって益々「祟られそうな怖さ、暗さ」になるという、とても損した容姿だ。その彼女がクラスで一番爽やかで、男女の分け隔てなく誰とでもすぐ打ち解けることの出来る翔太と関わることで友人が出来、クラスに馴染み、戸惑いながら初恋を意識し、感情のすれ違いやら何やらを経験しつつ、めでたくはぴえ(ハッピーエンディング)、となる、至極真っ当な少女漫画の話。
この爽子を多部未華子が演じてることは知ってたのだけど、相手となる翔太が誰なのかは知らなかった。三浦春馬だった…う~ん…んんー。彼が好きとかキライとかではなくてね、「爽やか100%」な高感度№1クン、てタイプではないんではないかなぁ、と。「かっこいい」と「さわやか」ってイコールじゃないしさ。

多部は若手女優の中では演技力に定評があるので(舞台でも活躍してて新人賞とか受賞してるし)、あまり不安には思ってなかった。「いつもみんなに避けられるのが当たり前、笑顔を向けようとすると引きつってすごく怖い顔になってしまう」なんて女の子、相応の演技力がないと無理だもんねぇ。
で、映画の出来はどーだったかとゆーと、原作で泣いたとこ(2巻の終わりあたりの、友人たちとの和解に至るまでのシーン)で同様にぐすぐすしたくせに全体評価としてはやっぱりイマイチ。キャストはともかくとして脚本、演出、その他の生徒たちに突っ込みどころ満載で、正直、どーしてあんなに評価が高かったのかよくわかんなかった。長い原作(しかも未完)をあれこれ割愛するのは仕方ないこととしても、そのまとめ方、見せ方が監督、脚本家の手腕だと思うのだよねぇ。爽やかクンを爽やかに見せるためにはただその他の生徒とはしゃいでるだけではダメだし、クラスの「ざわざわ」と「わいわい」と「何だ何だ」という好奇心(野次馬)はきっちり分けなきゃリアルじゃないと思うし、屋上に2脚の椅子って演出としてはアリかもだけど、そのためだけにわざわざ屋上行ったんかい?と突っ込みたくなるし。えーと、つまり「学校生活の日常」としての切り取り方がよろしくないのではないかな、と。

原作にないオリジナルな部分(後半はほぼこれだ)、決して悪いところばっかじゃない。サッカーの練習をしつつ、友人たちのことで思い悩む爽子に対して、翔太がボールを受けながら言う。
『気持ちってさ、ボールと一緒で、本気で「届け!」て思わなきゃ届かないんだぜ』
これって原作にはなかった台詞と思うのだけど、さてどーだったかなぁ。でも悪くないと思った。
主役5人のうちのひとり、龍(青山ハル?だっけか…)があたし的には一番「原作イメージに近いんでは」と思って観てたのだけど、体育館での『これはナイショ』てシーン、キミここがキミの最大の見せ場だよ、わかってる?!監督ちゃんと撮ってよ、脚本、手ぇ抜くなよ!そもそも何で原作の「体育館裏」ではなくて「体育館舞台上」になってんだよ、わざわざそこまで歩かせたんかよ!と、たかが1シーンに内心きーきー歯軋りしてた。

お前何様なことはぽんと棚にあげさせてもらって言わせてもらうと、台詞って「台詞として喋ってちゃダメ」なんではないかと思う。「台詞」ではなく「会話」として喋らないと。『したら昨日さー』『お前バッカじゃね』『そーいやこないだ昼休みに』『人の話聞けよ』『どーでもいーし』、みたいな、延々だらだらまったく何の脈絡もオチもないよーなのが「日常会話」であって、その合い間の『貞子ってマジ怖ぇよな』がキモなんだと思うんよ。そゆとこがねぇ…Aが喋ってBが喋ってCが突っ込んでDが馬鹿笑いして、みたいな感じでテンポが悪い。気がした。「会話」の前後左右が感じられない、とゆーかね。ん~、やっぱ結論はここ行くのかな。「その他大勢の描き方が半端だとリアルっぽくない」。これってどんな映画でも言えることだけどさ。

あ、そーだ、こないだ「リア充」について書いたけど、これ、フツーに(?)使うらしい。2ちゃんねる用語として。イミはわかったけど、やっぱ「リア充」じゃあないよなぁ、これは。
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by yukimaru156 | 2012-05-15 01:52 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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