道 1954年 イタリア
いかつくて無骨な旅芸人と、1万リラで売られて一緒に旅することになった、頭のネジが1本足りないらしい女。2人の道中は危なげでいて、でもこちらが身構えてしまうほどひどいことにもならない。それはちょっとまずいんじゃない、と思うところでも「何とかなってる」のは、彼らを取り巻く人々の中に悪意がないせいだな、と観てて思った。
ド素人の女は歌も踊りも料理もできない不細工なくせに妙な愛嬌があり、体力だけが自慢の男との「旅芸」の呼吸をつかんでいく。(それを芸と呼ぶのか? と突っ込みたいとこだけど、観客は素直に金を出してるからいいのだろう) それなりにうまくいってたのに突然彼女が『帰る』と言って逃げ出したのは『ラッパを教えてくれないから』。何だかなー、だが、行く先々で知り合う同業者たちの中に、2人に(ちょっと変わった形でだが)理解を示す者が現れる。
『あいつは犬なんだよ。好きな奴に対しても吠えることしか知らない』
仕事は好き、でも彼は嫌、という彼女はこの言葉に救われ、相変わらずの関係(男は彼女を女とは見てない)のまま続いていくかと思われた先にまさかの事故。壊れる関係。そして予期された結末。やっぱり旅芸人の話は「悲哀」なくして語れないものなのかねぇ。「いい映画」ではあるけど「好きな映画」ではないかなぁ。
今日はハハが見舞いに行ったのだけど、あたしは早番で1時まで仕事してて、帰宅したらぐったりでなぁ~んもやる気でなかった…そんなんばっかだわ、ここんとこ。も少し有意義に過ごせるはずなんだけど、その意思がないとゆーか、気力がないとゆーか。それでこんな映画観てちゃ世話ないよなー。もちょっとぱっと明るい気分になれるモンじゃないとねぇ。ちなみにハハが『観たい』とゆーので録画したモノだから、あたしが観たかったわけじゃあないのよ。ま、名作と言われる映画だから興味がなかったわけでもないんだけど。
早番3連勤て、神経がえらいくたびれる…たかが半日なのに、この疲労感は何なんだろな。明日は見舞いだ。気晴らしにB・オフでマンガでも漁ってこよーかな。きゅーりょも出たことだし。(現金払いってありがたいけど自制能力を試されるわね…)