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  脳男  2013年 日本

「感情がない人間」てのは、どんな感じなんだろう、こんな感じなのかと思いながら原作を読んだ記憶がある。ただ、内容は結構忘れてて、観終わったあとにいくつかレビューを読んで、納得した。映画オリジナルな部分が多いのだ。そーいや犯人は男だったよなー。こんな話だっけかと思うわけだわ。

のっけから悪趣味なシーンの連続で、ちょっと選択を誤ったかと思ってしまった。エグいし、気分悪くなる。苦手な人は避けた方が無難。
連続爆弾魔のアジトにいた、生まれながらにして感情が欠落してる男、鈴木一郎(生田斗真)が容疑者の1人として身柄を拘束され、その精神鑑定を依頼された鶯谷真梨子(松雪泰子)が『協力的なのに違和感がある』として彼自身に興味を抱くあたりから本筋。高い知能と、驚異的な身体能力。だが感情の起伏は一切なく、少年時代は「排泄も食事も命令されなければ出来なかった」ことを知る。そんな彼を育てたのは、金持ちでいささか偏執狂的な祖父。彼への教育には金を惜しまず、何人もの専任教師を付ける傍ら、各種格闘技、そして遂には殺人能力まで身に着けさせた。すべては娘夫婦をひき逃げして殺した犯人への復讐のため、そして世にはびこる「裁かれない悪」を裁くため。感情のない人間は痛みを知らず、故に人の痛みも理解できない。何が正義で何が悪なのかは彼にとっては「後付けの概念」でしかない。にもかかわらず、感情を育もうとするのではなく、ただ「正義のため」に彼を「殺人マシン」として育てあげるのだ。

彼が追う爆弾魔を女性(二階堂ふみ)に変えたことで、犯人の妄執や狂気に歪んだ愛が加わった。嬉々として拷問、殺人を楽しみながら、勝手に彼にシンパシーを感じる彼女は、破滅への直線に彼を同行しようとする。まぁ、わからなくもないけど、説明不足かなー。彼女自身は残虐嗜好の快楽主義者なだけだし。
この映画の主人公は生田斗真なんだろーけど、実際のところは精神科医の松雪だ。傍から見れば「若くして成功した女医」だけど、過去の傷に苦しみ、仕事柄逃げることも出来ずに病み、「裁けない悪」に対するジレンマを常に抱えてる。ラスト間際の彼女の慟哭は、それまでの彼女の「弱さをねじ伏せてきた強さ」を垣間見てきただけにぐっと胸に迫る。終始無表情を貫いてきた生田が最後に、“もしかして感情らしきものが芽生えてきたのでは”と思わせる微妙さよりずっと、だ。

それなりに金がかかってて、爆発シーンも悪くないのだけど、警察の無能っぷりとか、ちょっとそれはどーだと思わせる演出とか、説得力ないとことか、説明不足なとことか、突っ込みどころも多々ある。でも映画『セブン』を彷彿させた原作を大胆に書き換えたのは評価できるかな。原作にあったいいシーンとか台詞とか、削られたのはもったいない気もしたけど。
にしても、ぼそぼそしゃべりや早口には参った…何度巻き戻して音量あげて聞き直したことか! 役者が悪いのか録音が悪いのか知らんけど、マトモに観てらんなくてイラッとするわ。

今日は健診後1ヶ月とゆーことで薬効果を見るための診察。『血液検査の結果は1週間後』って、どーぶつ病院じゃ20分後には出るけど? と言いそうになった。『ぎりぎり高血圧』って言われたけど、それは11時半に予約して行ってるのに1時間も待たされたからだわよ! ムカつくー。
帰宅して昼食後、見舞いへ。もちろんチャリ。先日迷ったとこを修正できて、25分で着けた。殺風景な病室の一角に自作モビールを飾ってあげた。
『どう?』
『どーってことないね』
だってさ。何だよ、ふん! 看護師サンには評判いーじゃんか。
帰りはあらゆる信号に引っかかって28分。どーぶつ病院バイトはきりきり忙しく、帰宅は11時過ぎ。そして我が家では台風に伴い盛大に雨漏り…してたらしい。あたしゃ知らんのだけど。でも映画感想書いてる場合ではないくらいてんこ盛りな1日だった。はー、くたびれた。
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by yukimaru156 | 2015-05-13 02:25 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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