スゥオッチ
彼はふむふむと頷きながら、修理という形ではできないけど、もしこのスゥオッチの型番がわかり、かつ日本に同じものがあれば「買いなおす」という形で提供できると言う。『それを調べるまでに2週間はかかってしまいますが』と言うが、即必要としてるわけでもないから調べてもらうことにした。
このスゥオッチ、格別愛着があるというわけでもないのだけど(いや、ここまでするということはそれなりにあるということか)、そのほどよい重量と質感が気に入っていた。文字も見やすかったし。10年前、ポルトガルに行った帰りの飛行機で(キャセだったかなぁ…もう忘れたよー)購入したもので、何で買ったかというと、ツアーに乗っかって行ったのはいいけど、朝から晩まで連れまわされ、かろうじで家族や友人に土産を買うことはできたものの、ゆっくりじっくり選んで「自分のものを買う」という時間がまったく持てなかったことにとても腹を立てての衝動買い。確か当時で1.5万くらいしてたと思う。
スゥオッチは、そのデザインの豊富さと低価格が売りだ。1万円を高いと思うか安いと思うかは人それぞれで、件の紳士も『安いものですからこの機会にぜひ』といろいろ薦めてくれるが、あたしにとっての1万は決して安くはない。強がりに聞こえるだろーけど、仮に現金で30万持っていたとしても1万は1万で、2千円の帽子なら5つも買えるし、タバコなら3カートンも買えてかつ札の釣りが来る!という認識に変わりはない。あたしの作品を1万円分購入してくれた方には密かに“何てお金持ち!”と思うくらいだ。なわけで『安い』と連呼されるとだんだん不愉快になってくる。「だから何だ、安くても欲しくなきゃ意味ねーだろっ」と。
一般的に「いいものを長く使う」と言うけど、あたしは「安く(500円とか1000円とかで)買っても気に入っていれば可能な限り長く使う」タチだ。そのスタンスはこれからも変わらないだろうし、変える必要もないと思ってる。(だから帽子とかTシャツとか溜まってくのだけど) ホントに必要なものって、価格でも質でもなくて「自分の価値観に見合うか否か」だよなぁ、と改めて思えた1日だった。その価値観を持てない(自信がない)人が、価格や評判や流行を基準に買うのだろーな。
『ボーン・アルティメイタム』を観たのだけど、その話はまた。
ちょっとびっくり(私自身が数日前思ったことがあったからです)お茶
の教室で高いものに価値があるみたいなレクチャーをうけてふにおちない気分になっていたことがあります。。ベースの価値観って大切だなーって思いました。。
自分の価値観で判断するって、簡単なよーでいて難しいもんですよね。(あたしは自分の価値観にそんなに自信があるわけではないのですよ(笑))
ついてくるように思います。。利益を得るのが上手な人でもそういった
ジレンマがあるのは嫌というほどみたので。。ちなみに。。お茶の世界
でも安いものを上手に素敵に使える人というのと、それができない方
といるので(多分センスだと思うのですが)。。確かに難しいものなの
かもしれません。。 お金いっぱい稼いで成功している人でも裏では
必死に水かきしているのが現実というのを嫌というほどみた時期が
あり、そのつけはまわりの人にあたりちらす、ということを経験したので
バランスというのが一番大切なように思うこの頃です。