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容疑者Xの献身  東野圭吾 著

ガリレオこと湯川学、という大学の助教授が登場する作品はいくつかあるらしい。あたしはそれらを読んでなくて、ついでにテレビドラマも観ていなかったので、彼に関する予備知識ゼロで読んだ。本書はちょっと前(去年あたり?)、結構評判になってて、確か賞も取った気がする。候補になっただけかな?

ともかく「自分じゃー買わないが貸してくれるなら読む」類の本の割にはちょっと期待してたのだけど、取っ掛かりの湯川学でコケたので、終始“んむむぅ~”が付きまとってしまった。何がよろしくないって、彼についての説明(容姿とか年とか)がないので、ドラマのFをイメージして読むのもちょっと違う気がするし(違うかどうかわかんないのだけど)、像がぼやけたまんま読了することになってしまったのだ。助教授って4、50代なのかなとか、天才だからもっと若くてもおかしくないのかなとか。彼の年がわからんてことは、同期の容疑者Xも、同窓生であるらしい刑事の年もわからんてことだし。

「報われない愛に血と汗と涙を流す男」が、作者のお好みであるらしい。この作品もそう。で、そこんとこに共感(あるいは感情移入)して泣けてくるかっつーと「それができない」のだよなー、なぜか。できたらすっごくイイと思うのに。書き方の問題なのか、あるいは作者のスタンスの問題なのか。作者がどれほど登場人物に思い入れを持っているか、なのかもしれない。
トリック自体に新味はなくて、何となく“真相としてはこうではないか”みたいなのがあったから意外でも何でもなかった。なぜそう思えたかとゆーと「容疑者Xが天才」だから。ウラのウラを読んでて当たり前なんだから、こんな単純なことではないはずだぞ、と思ってしまうわけだ。天才でも何でもなくて、ついでにガリレオ(何でガリレオなんだ?)も登場してなかったら、読み方も違って「容疑者Xの献身」に泣けたかもしれない。

あたしは「天才」と称される人が出てくる話がキライではない。むしろ好きだ。何故かっつーと「話の展開が早くなる」から。ウラのウラのそのまたウラ、みたいなのも好きだし。でも大学の教授で天才ってのなら、毎度違うタイプの天才が出てくる森博嗣のシリーズ(何つーシリーズだったっけか)の方がはるかにおもしろい気がした。こっちもまあ、トリックとしてはそれほどでもないのだけど。
しかし、ちーとばかし期待しすぎたんだろなと思う。久々の読書だったし、ハードカバーだったから『白夜行』みたいに2段組で読み応えがあるもんだとばっかり思ってたし。こんなにすんなり読めてしまうデカ文字だとわかってたら、文庫を持ってったのに。パラパラしてみろよ、って感じだ。

冬物をちょっくら片付けて机周辺にある紙(コピーとか手紙とかその他もろもろ)を整理して…などと思ってたのに、洗濯して布団干してなんつーことをしてたら出勤時刻。毎度あたふたやれやれ。次は何を読もうかなぁ。もちょっと主人公なり他の人物なりに感情移入できるようなのが読みたいや。あと、も少し具体的に人のイメージが出来るやつね。途中からガリレオが『夜回り先生』になっちゃってまいったよ。なーんで彼になるかなぁ。謎だ。
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by yukimaru156 | 2008-05-02 01:43 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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