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「溺れる魚」

01年 日本
原作を読んだのはもーかれこれ10年以上前になるので、思い出しながら観てた。いや、ここはこーだよな、とか、これは違ったよなー、とか。何とも感想の書きにくい映画なのだけど、難しいのではなくむしろ逆で、割と単純。
麻薬の取引き現場を抑えて、誰も見ていないのをいーことに500万を着服した刑事と、女装癖がバレた(だけなら問題ない(はず)なのにあろーことか婦人警官の服を盗んでた)刑事がそれぞれ特別監査官(警察の内部調査担当)に呼び出され、ある外事課の刑事の張り込み調査を命じられる。
一方、ある大手のカメラ会社が、重役たちを名指しで「何日何時、銀座の大通りを裸で走るように」と言った脅迫を受けていた。無視すれば、都内にあるDPEに「漂白剤を混入させたフィルム」を出され、それを現像する機械に入れてしまうとその機械そのものがダメになって多大な被害が出る。一度無視したためにクレームの山と損害を出した会社は、金品を要求しないこの愉快犯「溺れる魚」に踊らされ、エスカレートする要求を呑むことになっていた…警察には言えない(言えば世間の恥、被害も莫大)という「ことなかれ主義の日本人の権化」みたいな経営トップたちは、やがてヤクザの手を借りて決着をつけようとする。

外事課の刑事を張る2人(椎名桔平と窪塚洋介)と、この「溺れる魚」による事件とがやがて交錯して…って話なのだけど、原作のも少しフクザツな部分やもろもろのエピソードを割愛したのは当然として、コメディとしてはやけに中途半端な作り方が最初から気に喰わなかった。コメディならそれでいいのだけど、徹底できてないから笑いも乾く、みたいな。シリアスに、とは言わないから、も少しフツーに作ればよかったんじゃないのかなぁ。
それとミスキャストが2人。1人は「溺れる魚」の首謀者で、新進気鋭のアーティスト、も1人は特別監査官。を例によって「花がない」というくっだんない(と思われる)理由から女性にしたこと。この2人の描きかたによっては、結構おもしろくできたと思うのになぁ。宍戸錠フリークで浪花節も入ってる椎名桔平も、女装癖のある(足がほっそいので腰から下はどー見ても女)窪塚洋介もぴったりだし。そーそ、成宮(と下の名前を忘れた!苗字でわかるよね?)も出てて、彼も悪くなかった。顔がいまよりふっくらしててかあいかったし。ダンサーとしてのシーンはちとくどかったのが残念。

愉快犯であり、同時にテロリストでもある「溺れる魚」が金に困っていないアーティスト集団であること、標的が会社の重役たちであること(その理由ってのもちゃんとある)、そして何より「金を要求していない」ってのが新しい感じがして楽しく原作を読んだのだけど、踊らされる重役たちや振り回される警察たちが無能でおかしくはあれ、コメディではない。もっとも、あたし的にはこの本も手放しで賞賛はできないのだけどさ。何つーか、伊坂幸太郎の『オーデュポンの祈り』みたいな、読むのがちとしんどい描写が結構あるのだ。伊坂作品は以降、そういったグロい描写をかなり抑えるようになったのだけど、こっちの作者(戸梶圭太)はどうなのかなぁ。これしか読んでないからわかんないや。何かちょっと「惜しい」気がした映画だった。

本日はそば屋。そんなに忙しくもないはずなのに、やたらと揚げ物に追われまくった…カボチャ、エビ、イカ、茄子、かき揚げ、カボチャ、エビ、イカ、かき揚げ、の順で揚げる羽目になり、揚げてる最中に『〇〇残り3!』とか『5!』とか、お声がかかって、“まだやれってのかよ…”とゲンナリ。10日で夏季限定の豆腐茄子天そば(とタンタンそば)が終了するので、茄子はこれ以上揚げることもないのだけど、代わりに「きのこそば」が始まる…ってことは、茄子の代わりに舞茸を揚げなきゃならないわけだ…それは許そう。しょーがないと諦めもつく。それより何より問題は「豚入りかき揚げ」だ。何だよ、豚入りって!かき揚げのほかに豚入りも作れってかっ!肉そばがあるんだからそれでいーじゃんかっ!ちきしゃう、泣けるぜ。チェーン飲食店にいる以上、限定モノには追われ続けるのだなぁ。揚げ物増やすのはやめよーよ、世はヘルシー志向なんだからさぁ。
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by yukimaru156 | 2009-09-09 02:07 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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