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アウトレイジ  2010年日本

「世界の北野」と呼ばれてるのにこの人の作品を知らないよなぁーと思ってて、現在公開中の続編『アウトレイジ ビヨンド』がちょっとおもしろそーかな、とも思って観てみた。う~ん…んむむ…だった。すごい俳優陣揃えてるんだけど。それもみんな「中堅どころ以上」の面々で、知らない顔はないな、てくらい。で、そんな中にいる「俳優 ビートたけし」って、どうなんだろー?そこでまた首捻ったりして。(この人うまいの?ヘタなの?)

いまどきのヤクザの話であって、極道じゃない。「道」ではないから。義理も仁義もなくて人情は皆無で暴力満載でもいーんだ、あたしは。だから昭和の極道モノ、任侠モノと一線を画してても構わないんだけど、でもって美学や哲学がなくてもいーんだけど(あった方があたし好みだけどさ)、だったら何がいけないんだろか、と考えながら観る羽目になってしまった。
ひとつは、ヤクザばっかの男所帯で飛び交う怒号、恫喝のワンパタ加減。『ンだと、この野郎!』『バカ野郎!』『ざけんじゃねぇっ』って、そればっか。あんたら他にボキャブラリーはないのか?せめてちょっとくらい違うバージョンを見せてくれないかなぁ?せめて気の効いた脅し文句のひとつも聞かせて欲しいわ。凄んで見せるあたりまでどいつもこいつも一緒でさ。キャラが一緒とゆーか、せっかくこんだけ凄い役者揃えてんのに個性がてんでないの。いきなり無関係な舎弟ぶん殴るのも、『そのへんにしとけ』と止めるのも一緒で、どんだけ暴力が凄かろーが血が出よーが、退屈してくる。(あたしだってそーそーOKなわけじゃないんだけど、韓国のハードボイルド系映画の方がよっぽど痛くて怖いと思う) 

ヤクザ世界が「会長」とやらを頂点に、やれ杯だの兄弟だの親子だのと言いつつもきっちりピラミッド形成してんのも、それぞれが結局自分のことしか考えてなくてちょっと意に添わないとキレるのも、大卒がいよーが英語喋ろーが、株やってよーが、「盃」を無視する奴がいよーがそこに新味はなくて、「で、だから?」になってしまう。ホント、みんな自分のことしか考えてなくて、「下克上」に終始する映画なんだけど、頭悪すぎる。ウラをかいてとかウラのウラを読むとか、そういう立ち回りを全然しないで、暴力三昧でそんで「自分だけ生き残れる」と本気で思ってそこにいるのか?て感じ。意表を突いてくれる異分子が1人くらいいて、生き延びてくれりゃまだおもしろかったかもしれないけど。(大体、『隠れてろ』と言われてオンナのとこに行くかぁ~?殺されに行くよーなもんじゃないか!)
戦国時代の武将たちは武力だけで生き残ってきたわけじゃない。先の先を読み、人を見、謀略を計り、騙し、血縁で繋がりつつもそれをあっさり断ち切ることも平気でしてきた。そういう世界をヤクザでやってるのかとちょっと期待したんだけど、違った。暴力や拳銃がどれだけ画面に溢れようと、血がどれだけ流れようと、それは「小道具」であって「主題」にはなれない。義理や人情を入れないのなら、代わる「何か」が必要だ。それがヤクザの面子だってんならそれでいーんだけど、にしてはちょっとちゃちぃー気がした。
これ、何であんなに絶賛されてたんだろ。ちょっと不思議。ホントにいい役者揃えてんのになぁ、もったいない。つか、何でみんな出たがるの?「北野組に参加できて嬉しい」とかさ。これまた不思議。(ファンの方々すみません、悪気はないんで)

えーと、いいところ、いいところ、っと…椎名桔平はやっぱかっこいっす。スーツもびしっとしてて。モンモン(刺青)、ありゃ元絵は国芳だぁね、素晴らしいわ。もっとちゃんときっちり描かれてたらもっとよかったけど。あ、褒めてない!う~ん、困った。『アウトレイジ ビヨンド』、おもしろそーだと思ったけど、関西系ヤクザが入ってきてもまた同じことするんじゃ一緒だろなぁ。

今日は昨日の続きをやって、それからそば屋。ちょっとポカをやって、しばし凹んだ。だーからヤだって言ったのにぃ~!
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by yukimaru156 | 2012-10-12 02:31 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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