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「THIS IS IT」に想う

昨日、夜寝てから、書こうと思ってたことを書き忘れてたことに気づいてちょっと悔しかったので書く。ま、どーとゆーことでもないのだけど、一昨日の深夜、M・ジャクソンの「THIS IS IT」をテレビでやってて、思わず観てしまった、て話。

彼が亡くなる直前のコンサートツアーのリハの様子で、これに関わるスタッフたちのインタを交え、本来なら本番と供にDVDになるはずだったものがそこだけ欠けてる、というものだ。リハだからみんなラフな格好してるし、途中で何度もリピートしたり、ステージ内容に対してマイケルが意見したりスタッフが話し合ったりする様子が映っている。
あたしは彼のファンというわけでもなかったのだけど、80~90年代の彼の曲は知らない人はいないんじゃないかと思うほど有名だし、聴いてて“あぁ、懐かしい~”と思う。だから明け方4時まで観てしまったのか、というと実はそーでもない。つい観てしまったのは、このツアーに関わる人たちに想いを馳せてしまったからだ。

大学の4年間、あたしは「みゅーじっくぷろじぇくと」という団体に所属してた。ここでは、学内で行われるイベントやコンサートに対して「音響、照明、舞台美術」を請け負う、という、いわば裏方専門の団体。依頼があれば学外でも出かけてった。(公民館とかね、その団体が演奏するところまで出張ったのだ) ひちくちに「音楽団体」と言ってもいーっぱいあるわけで、軽音はもとより、吹奏楽部だとかギター部とかマンドリン部とか合唱部とか、まぁともかく彼らの演奏に対してこちらは可能な限りの技術と知恵を尽くすわけね。(そーでないヤツもいたけどさー) 器材は手持ちのモノだけではもちろん足りないので借りてくるのだけど、ただお金出せば貸してくれるてわけでもなくて、そこは「バイトして顔見知りになって借りる」という形。(だからバイトで単位を落とした、なんて話はザラだったし、スライドしてそこに就職する、てのももちろんザラだった。特に音響屋と照明屋は。ちなみにあたしは舞台美術で、そっちのバイトしましたよ。暗い倉庫の片隅でひたすら豆電球を仕込むとかドライアイスをひたすら砕くとか)

前振りが長くなった、失礼。
まぁ、そゆわけだから、スタッフたちの苦心てのはやっぱりよくわかるわけで、もちろん世界で最も有名と言える、キングオブポップスのステージだから最高級の人材を揃えてるんだけど、それでも名前が出ることのないコーラスやダンサーたち、そして関わる全てのスタッフたちのひとりひとりに感情移入してしまう。マイケルの死に、誰もが絶句し、涙した。けれど誰が、このツアーに関わるスタッフたちの無念まで思い至れただろう?マイケルの、『観客が望むのは「日常を忘れることのできる未知の体験」だ』という言葉に従って最善を尽くしてきたその結晶が、陽の目を見る直前に砕かれる。着てもらえなかったステージ衣装、使われなかった舞台セット、ホールの隅々まで響かせるはずだったスピーカー、彼のダンスのためだけに仕込まれた無数の照明…それらを想うと、深い悲しみ、と呼ぶよりは「無念」のひとことに尽きる気がする。
『いろんな一流のアーティストと仕事をしてきたが、ここが頂点だ』
と熱く語ったバンドマンは、もう「頂点に立つ」機会を失ってしまったのだ。

これが映画として公開されたとき、涙して映像に合わせて歌う人がいる一方で、『所詮はリハだから中途半端な感じ』と評してた人も少なからずいた。それはある意味正しいのだけど、『子供の頃から憧れだった。同じステージに立てるだけで夢のよう』と目を輝かせて語ったダンサーが、遂に立てないまま(そりゃリハでは立つのだけど)終わってしまうことを知ってるだけにちょっと泣ける。マイケルの遺作としては決していいものではないのだけど(てゆーか、遺作と呼んでいいのかどうかだな)、その幕切れを知ってるだけに、彼の死の直前の、ツアーの成功を信じて疑わないスタッフたちの笑顔が切なく胸に残る。

えーと、今日はずーっと古着の仕分けと掃除をしてました。明日もたぶんそんな感じ?かな。雷雨、という予報だったけど、それほどでもなく終わったような気がするな。
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by yukimaru156 | 2013-05-17 01:33 | 我思う | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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