第9地区 2009年 アメリカ、ニュージーランド
このエイリアンたち、なかなかグロテスクな格好をしてる。無駄にスリムで素早そうで、80年代にギーガーが描いた「エイリアン」と、ゴッキーその他の昆虫類を掛け合わせたらこーなるんではないか、と思う。よーするに「テラフォーマーズ」だな。(このマンガより『第9地区』の方が先だと思うけど) もっとも、劇中では彼らはその容姿から侮蔑をこめて「エビ」と呼ばれてる。
さぞや彼らを受け入れるのは大変だったろーと思うのだけど、そのあたりの混乱やら各国の思惑なんかは全部すっ飛ばされ、ついでに挙げるとエビたちの生態から言語、意思伝達が可能なのか否かまでもすっ飛ばされて、物語はいきなり20年後。宇宙船の真下、ヨハネスブルグの一角に難民受け入れ用のテントが並び、そこでのみ彼らは居住を許されてるが、周辺住民とのイザコザや暴動なんかは後を絶たず、政府は彼らをこの第9地区から強制退去、収容を決める。口先では穏便にコトを進めようとしてるくせに、重装備の軍人たちと装甲車で物々しく「排除」するさまはナチスばりだ。そして一応、主人公であるこの計画の主任がまた何とも「らしくなく」てねぇ…いかにも小役人、中間管理職で、責任者として抜擢された理由もわかんないけど(こんだけの大がかりな移送計画なのに)、それに浮かれてる様子はアホとしか言いようがない。エビの卵を嬉々として焼却するあたりなんか吐き気さえ覚えるし。
まーそんなわけで、どーしてこれの評価が高かったんだ、何であたしはいまこれを観てるんだ、と思いつつ、観た。
物語の着眼点としてはおもしろいし、これがアパルトヘイトを暗に皮肉ってるのもわかるのだけど、ツッコミどころ満載だ。そもそもこの20年、キミら人類は何をしてたんだ、彼らについて詳しく知ろうと思わなかったのか、あの宇宙船やエビたちにしか扱えない武器について何の攻略もないのか、言語を解し、頭のいいエビもいるのに完全無視たーどーゆーわけだ…てことすらもまたアパルトヘイトへの嫌味か。なるほど。でもあの宇宙船はさー、20年沈黙してていきなり動くってのはちょっとどーかなー。
主任が無能なアホで、ンなことしたらどーなるかガキでもわかるだろっ! と思ってムカムカするのだけど、後半になると物語の勢いが増すのとアクションも増えるので、眠くなることもなく一気に観ることが出来る。後味は、まーそー悪くもないし。でも思ってたのと違ったせいか(もっとコメディに近いと思ってた)ちょっと疲れたかな。結構血生臭いとこやグロなシーンもあるので、苦手な方はご注意を。
今日はひっさびさにセーコツ医に行った。『(こんな状態で)いままでどうしてたの?』と言われてしまった。浮気(他のセーコツに行くとか)はしてなくて、ただ単に来れなかっただけなんだけどね。
ハハが見舞いに行ったので、夕飯に温野菜サラダ(何でもかんでも角切りに、オリーブ油ベースのソース)を作り、震度4だっけ5だっけ、でドミノ式に倒れたこけしを直し(その前後の写真を撮った。明日、チチに見せるためにだ)、月曜なので早出のバイト。なかなか消耗した…これで明日は早起きとは…とほほ。