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  我が家の秘境、もしくは開かずの間(その1)

こー書くと大抵の人は「どんなお屋敷に住んでるんだ」と思われると思うのだけど、ごくごくフツーの一般庶民の、築50年の木造家屋であることを踏まえた上で読んで欲しい。

  我が家にはまだあたしが見たことない秘境がある

あるんだよ。ちょっと前、オトート2号が来たときも『オレ、ここの中初めて見た…』とつぶやいたことがあるよな秘境(つか開けたことない小部屋や天袋)があるのだ。小部屋ってもほんっっっとにちっこい、昔は掃除機を入れてたところで(だけでいっぱいになる狭さ)、でもその奥や上(仕切りがあって上がある)はまだ見たことがない。何かあるのは知ってるけど、何があるのかは知らない。仏壇の上の天井裏にも何かあるけど、何なのかは知らない。居間の天袋も開けたことがないので知らない。そんな具合で、48年と11カ月ここに暮らしてるけど「未知」な場所がいくつかあるのだ。
で、今日はそのうちのひとつをご開帳。なんて書くと大げさだけどさ。ともかく「見た」わけだ。

1階の納戸(かつて桐箪笥3つをどう処分するかですったもんだした部屋)のクローゼット。手前の方は何度も開閉してるから、自分たちのコートだジャケットだってのが詰まってるのはわかってんだけど、逆側ってのは(これまではいろんなモノが積み上がってたせいもあって)見たことがなかった。日本刀があるのは知ってたけど。(父の通夜前、安置してる傍らに一晩置いたのだ。ばっさま、じっさまのときもそーしたから)
開けて踏み込んでみたらば、まー出るわ出るわ、これでもかってくらい、父だけでなくじっさまのコートや上着が出てきて、ついにハハが『もうダメだ、業者を呼ぼう』と泣き言いい始めた。即効で却下した。処分業者を呼ぶのは、ホントにホントに最後の手段。あたしが「捌ける」と判断できるうちはギョーシャは呼ばない。そー決めたのだ。

最後に衣装缶(缶だよ、缶。これだけで骨董と呼べるシロモノだと思う。我が家にはまだ現役の、こーした「長持」に代わった衣装缶がいくつもある)を出した。長持よりやや小振りのそれは、ハハも中を知らないと言う。ちょっとドキドキしながら開けた。寒い冬にじっさまが愛用してたラクダの下着だった。なーんだ、とちょっとひょーし抜け。
『いま買ったら高いわよねぇ、これ』
『え、そーなの?』
『そうよぅ、私がおばあちゃんに付き添ってデパートへ買いに行ったときでさえ、何千円てしてたんだから、いまだったらン万円はするんじゃない』
えぇっ、そーなのか?!
『だからみんなちゃんとクリーニングの袋に入ってるでしょう?』
確かに。
『あのさ、この「ラクダの下着」って、もしかしてホンモノの駱駝なの?』
『そーよ、何だと思ったの』
……ただの「ラクダ色の(あったかい)下着」だと思ってた…そんなに高級品だとは知らなかったよ。いままでダサいとか思っててごめん、駱駝の下着殿。いまはアクリルだのポリだの、軽くてあったかい化繊が溢れてるから気にもしなかったけど、当時はないもんね、そういうの。でもって本物の駱駝、だもんなー。そりゃ高価だぁね。

じっさまはM新聞のエライさんでもあったので、加えてばっさまはいーとこのお嬢だったので、出てくるコートはどれも(型は古くとも)生地も仕立ても一級品。ずしりと重くて、クリーニングの袋を解かなくてもいいモノであることはわかるのだけど、と同時に「まだ着れるのか? 需要はあるのか?」と思ってしまう。型が古いというだけで着ることに問題はないと思うのだけど(ぱっと見、虫喰ったりしてないし)、この重さ、どうなんだろう…?
そんなこんなで出してきたコート、上着は父とじっさまのと合わせて36着。午後にちょっと出かけたり、夕方から仕事だったりで、とてもじゃないけど仕分けはならず。夜、喪中はがきの届いた父の旧友から電話が3本。うち1人の『焼香に伺いたい』に、ハハはびびりまくり。
『いま来られても、この状態をどうすれば?!』
うん、どうしようね。でもなるよーにしかならんよ。
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by yukimaru156 | 2015-11-17 01:01 | そんな1日 | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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