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  フリオ・ゴンサレス展 とミュージアムコレクション

サブタイトルを「ピカソに鉄彫刻を教えた男」とある。金工職人の息子として生まれ、真鍮などを使ったアクセサリーや、ロダンに影響された塑像なんかを作っていたが(当時の作品も展示されてる)、自動車部品メーカーでガス溶接の仕事を始めてから「鉄彫刻」へと傾倒するようになる。モンマルトルに住み、ピカソら多彩な芸術家たちと交流を持つようになって触発されもしたのだろう。
正直、塑像なんかはさほどおもしろいとも思えず、レリーフ(真鍮を後ろから叩いて凹凸をつけ、「絵」にしたもの)はいいものもいくつかあるのだけど、やはり圧巻は「空間に描くドローイング」と称された、抽象的な鉄彫刻だ。曲線と直線が空というキャンパスに描く立体画。これのどこがトロンボーン? と思っても、彫刻をぐるりと廻って眺めると、不思議と音楽が聞こえてくる気がするのだ。人の顔に見えなくても、何かを語りかけてるように見えるし。
ギャラリーの壁面には彼自身の言葉がいくつか紹介されている。

  幾世期も昔、鉄から美しいものがたくさん生まれた。だが不幸にもその多くは武器だった。
  それがいま、平和な芸術家の手によって叩かれ、鍛えられるための扉となるのだ。

第2次世界大戦によって物資不足に悩み、鉄彫刻を一時中断せざるをえず、終戦前に亡くなったことを考えると、この言葉はちょっと切ない。享年65歳。その時期のいくつもの素描を見ると、まだまだ作りたかっただろうなと思う。

2階ではギャラリー所蔵の展示が行われていて、「小林淳作と小林敬生」という、どちらも知らない作家だったのだけど、小林敬生の細密画には圧倒されてしまった。木口木版という技法を初めて知った。木の繊維に合わせて垂直に切った板に、鉄板などを削るのに使う道具で描くそうなのだけど、それでどうしてこんな繊細で細密な、まるで銅版画のような絵になるんだ? とびっくりする。このイメージの源泉は何だろう? 何であれすごい人もいるもんだ。
ゴンサレス展は今月末までだけど、こちらは3月27日までやっている。もし興味のある方がいたらぜひ。観て損はしないです、ほんと。
1階の別室は区民ギャラリーになってて、そちらもちょっと覗いて見た。10歳前後の子供たちの絵が壁面いっぱいにずらり。あ~、この無邪気で奔放で何より自由な色と形! あまりゆっくりは出来なかったのだけど、ゴンサレスも小林敬生もモノクロの世界だったので、「色があるって素晴らしいなぁ」とつくづく思ってしまった。やはり「遊ぶ」なら「色つき」だよなー。モノクロの世界も嫌いではないのだけどさ。

今日は早番仕事で、帰り際に『これらの錠剤を1/2、1/4、1/8で21個づつ』お願いされてしまった…キタキタキタ~、1/8カット! そしてやり始めて「この態勢はきつい」ことがわかった。そのちょっと前からまた首あたりが痛み始めてたのだけど、ここにきて“うっ”て感じで。
処方されてる薬は朝昼晩なんだけど、痛みがだいぶ引いたから『1日3回でなくてもいい』と言われてたのね。で、この薬は「炎症を抑える」のともひとつ、これによって胃が荒れるから、てんでそれを緩和させる薬があるんよ。この「胃が荒れるから」てのが嫌だな~と思って、昨日は1度しか飲まず、今朝も飲まなかったら、午後から痛み始めて…やれやれ参った、だった。1日2回は服用しないとダメなんかな。それとも錠剤カットの姿勢(と集中力?)がよろしくないのか。しかしこの程度で痛いんだったら、ちぎり屋再開は難しいぞ。う~ん。

世田谷美術館は、用賀駅から徒歩17分。過去何度も行ってるけど、久しぶりに歩いて、あれ、こんなに遠く感じたっけ? と思ってしまった。トシのせいではなくクビのせい、と思いたい。


  フリオ・ゴンザレス展 ~1/31 ミュージアムコレクション ~3/27  田園都市線用賀駅より徒歩17分
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by yukimaru156 | 2016-01-29 00:06 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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