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  国芳ヒーローズ 水滸伝豪傑勢揃

三茶楽市が終わったら行こう! と思ってたのに、気づいたらギリギリの最終日。出かけるとき(昼過ぎ)、もしかして今日ってマズくね? と思ってしまった。10月末の最後の日曜日。てことはコスプレリア充自慢(?)の人がわんさか集まって今年はついにホコテンに! て日だよね。

そゆ意味ではちょいためらいもしたのだけど(原宿の太田記念館へは渋谷から歩くことにしてるので)、寒くても降ってはいないし、てことで出かけた。
さすがの人の多さだったけど、それはもーいつものことだし、国芳の「水滸伝」は数枚しか見たことないので、豪傑たちが揃うなら「見ない」という選択肢はない。で、行ってよかった。さすがだ、国芳。

「水滸伝」は言わずと知れた中国の古典文学だけど、江戸時代に和訳されてちょっとしたブームになり、国芳の豪快な絵はたちまち評判となって(彼にはこれが出世作)、シリーズ物として刊行された。その数、実に74枚。シリーズ絵を手掛けた絵師はたくさんいるけど、同シリーズで74枚も出した例はないようだ。いかに人気だったかがうかがえる。
ここでは74枚中73枚が展示され(何て素晴らしい!)、これは過去に1度、1979年にリッカー美術館で催されたことがあるだけらしい。(そしてこのときも1枚だけ欠けてたようだ)

あたしは水滸伝は未読で、内容もほとんど知らない。108人のアウトローたちがそれぞれの運命をたどりながら梁山泊に集結する、という話だそーで、国芳はそのほとんどの英傑を描いたことになる。刊行が終わったあとも、別の切り口で描いてたり(それらもいくつか展示されてる)、自分で自分のパロディをやってしまうような茶目っ気まであったから、この作品への思い入れも強かったのだろう。

ともかく武者絵、なんである、この人は。いや、他もすごいけど。構図にしろ着物や刺青の意匠にしろ、配色にしろ、どれをとっても唸ってしまう。
解説には「本文にこのような場面はないので、国芳の創意と思われる」という注釈のつけられた作品がいくつもあり、それはそれできっと当時の人を喜ばせたんじゃないかな。そもそも、豪傑たちの背中に彫られてる、凄まじい刺青は国芳が入れたものであって、「本文に(刺青をしているという)記述はない」とどっかで読んだことあるしね。これ見て「自分もこれを」て人がいっぱいいて、ちょっとした刺青ブームになったとも言うから、流行りモノの影響力てのはすごいもんだ。10年前、渋谷がコスプレイヤーたちで埋まる、なんて誰も予想してなかったみたいに。

ある若武者が崖のてっぺんから下を見下ろしてる絵があるんだけど、彼の着物が朱色で柄が猿。で、もろ肌脱いだ背中にある刺青が孫悟空という、何かそれだけで「キターッ」て気分。龍の刺青だろうと思ってたら、「蜃」という名の、口から水流や蜃気楼を吐く架空の獣、とあってそれもかっこよかった。つか、どの豪傑たちもかっこよかったよ。おっさんからむさいのから若造っぽいのまでいるけどね、どの男たちも面構えがすこぶる良くて。
にしても解説にうるさいおっさんがいて参った。どうやら水滸伝マニアらしーけど、それが何だってんだ! 一度注意されてたけど、しばらくするとまたあーだこーだと連れの男性たちに語り始めてめちゃうざかった。あたしもがつんと言ってやるべきだったかしらん。

国芳の図録は持ってるので「買わない」と決めて、事前にその図録眺めて「これがあれば充分じゃないか」と思ってたのに、ハガキ見て何枚かレジで出すときつい『図録も』と言ってしまった…うぅ、もー棚に入らなくて、勝川春章やら何やらが放置されてるというのに! でもしょーがないよ、水滸伝豪傑がこんだけ揃うことなんてないし、欲しい服もアクセも本もいまのところ欲しいモノはないし、何より昨日きゅーりょーが出ちゃったんだもん! (言い訳になるのか、これ…?)

帰りは人がさらに膨れ上がり(3時近く)、コスプレイヤーたちもいっぱいいた。駅近くに来たらケーカンもいっぱい。初めて「DJポリス」をナマで観たよ。選挙カーみたいなお立ち台から人を捌いてた。夜はもっとすごいことになってるんだろーね。あたしは国芳だけで大満足して直帰したけどね。







(≧▽≦)
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by yukimaru156 | 2016-10-31 01:53 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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