バルバラ異界  萩尾望都作

モー様こと萩尾望都の描く世界(ジャンル)は多岐にわたってるので、必然的に? 自分の好みの方に偏る傾向がある。あたし的にはそれはSFで、にもかかわらずこの「バルバラ異界」はずっと未読だった。読みたいと思ってたのに機会に恵まれないとゆーか、文庫版になって2、3巻はとっくに入手できてるのに1巻だけがどこにもない、みたいな。

その1巻を手に入れたのはつい最近で、「世田谷アートフリマ」の実演が終わってから、と思いつつもシゴトとかの合間にちらちら読み(ガマンできなかったのだ)、そして読了して真っ先に痛感したのが、"最初から一気に読まなくては!"だった。
ま、そゆわけでシゴトおふである今日、部屋の家具移動を終えて(これについてはまた後程)、一気読みした次第。

両親の心臓を食べ(食べさせられ?)、以来ずっと眠り続けてる少女、青羽。彼女が夢見てる世界「バルバラ」は現実世界と異なりはするものの、平和で穏やかな日常が続いてる。ただ、その夢に現実が影響されるのか、彼女の周辺ではポルターガイスト現象が多発し、彼女を保護、観察している研究所は、他者の夢に入れるプロの「夢先案内人」、渡会に彼女の夢に入るよう依頼する。
夢と現実が複雑に交錯する中、渡会の息子、キリヤもまた影響を受け、それから話はさらに混迷していく。これは青羽の夢なのか、それとも現実の延長線上にある未来の話なのか? だとしたら9歳から眠り続ける青羽は夢の中で未来を予言しているのか? だからこそ「いま」あることが、何も知らないはずの少女の夢に影響しているのか?

若返りの新薬(物語は近未来なのでそれはすでに開発されていて、青羽はその製薬会社の社長令嬢でもある。この薬がまた話をちょっとややこしくしてる)、火星の記憶(唐突っぽいけど筋が通ってる)、カニバリズム、青羽とキリヤの共鳴反応、惑星間戦争…SFファンタジー要素てんこ盛りで、そしてこの帰結か! と、読了後にぶはーっと吐息を吐き、唸り、そして思った。やっぱすげーや、モー様。
そしてあとがきにある解説を読んでも一度"やっぱすげー"と思ったのが、本作に対する彼女の述懐。本当は「バルバラ」だけの話だったはずなのに、締め切り直前に変更。第1回の連載終了後、本人はこう思ったのだそーだ。
「これはもう、私の考えた中では過去最高の駄作となるに違いない」
連載が続く度に「辻褄合わせ」に終始し、「行き当たりばったり」で全4巻(文庫版では3巻)描き切り、それが第27回日本SF大賞を受賞(漫画の受賞は過去に「童夢」のみ)。連載は2002年だから、16年前? いやはや…こういう話を思いつく、てだけでもすごいと思うけど、辻褄合わせながら見事に完結させることの方がすごいと思うわ。単なる奇抜発想のSFではなくて、「自我=孤独 孤独を消して全体に還りたいというのは人間の最後の望み」とか哲学的要素もあり、また親子の問題も絡んだり、何とも濃い1冊だった。

今日は家具移動を伴う大掃除。当然のように未完。たぶん、G.Wまで引っ張るね、これは。寝床は確保してるからせーかつはできるけど、ここから断捨離に持ち込めるかどーかは不明。いや、ホントにしたいと思ってるのよ、断捨離。明日どこまでできるかなぁ。







( ̄▽ ̄)

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by yukimaru156 | 2018-04-26 01:56 | 行った観た読んだ | Comments(0)

ちぎり絵ざっか作家 さゆきの  雑記帳


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