下駄とTシャツと入道雲
あたしはTシャツが好きだ。春でも秋でも冬でもTシャツを着てる。さみーときは長袖の上に着たりとかして。で、どんなTシャツが好きかと言うと、「着て洗って着て洗って着て洗って」を繰り返して首とか袖とか裾がびろびろになっちゃって、ハハに「これ、雑巾におろしてもいい?」と聞かれちゃうよーなやつ。もしくは「洗ってもいいけど干しちゃだめ」とか。いやマジで。「そんなびろびろのご近所に恥ずかしいから干すな」ということらしい。昔は平気で外に出てたけど、30過ぎたらいちおーTPOは気にするよーにはなった。部屋じゃ着てるよん。
一番のお気に入りはかれこれ15年前に買ったもの。ピカソの『泣く女』の手描きなんだけど、デフォルメされてるからぱっと見、何の絵かはわからない。すごく荒いタッチで、『泣く女』を知ってても言われないとわからないんじゃないかな。手描きだけど、ピカソが描いたんじゃないよ、もちろん。これはタイのアーティストが描いたもので、ダリの砂漠で時計がぴろ~んと伸びてるやつの絵とか(これが欲しかったんだけどサイズがなかった…)マチスの絵とか、そういう有名どころの絵が何着かあった。厳密に言うまでもなくオリジナルではない模写なんだけど、これはこれでいい味出してる。作家になって、同業者(ちぎりやじゃないよ、同じ手作り作家さんてことね)のオリジナルTシャツを見たり買ったりする機会は増えたけど、そー言えば市販のモノってしばらく買ってないなぁ。もらったりはするし、先に書いたように「びろびろシャツ」が好きなもんで、減らないから困らないんだよね、ははは。
ここ3年ほどの夏の定番に下駄が登場した。いーんだ、これが。Tシャツとジーンズと下駄って結構合うよ。カラコロ音させてるだけで“あー、夏だなー”って気分になる。風鈴の音色みたいな効果があると思う。涼しくなるわけじゃないけど、夏を肯定的になれるとゆーかね。
ところで入道雲。何かさー、昔はもっともくもくとした、陰影くっきりぱっきり、「真夏ーっ!」というか、にゅ・う・ど・う・ぐ・もっ!っていう真夏の象徴みたいな立体感があった気がするんだけど、なくないか、最近?それっぽいのはあるんだけど、上の部分だけであとはフツー。真夏らしくない。とか思ってる間に法師蝉が鳴きだした。残暑だ。