戯れ歌と三味線
高円寺にある「猫の額」という猫雑貨のお店に昨年末から顔を出してないので、行くなら作品補充をと考えレターセットとか作り始める。在庫はあるけど、ここのは「猫おんりー」なので、通常は(便箋2枚、封筒1枚のうちの)違う柄(犬と猫とか鳥と兎とか)の2枚にするところを猫2枚にするのだ。別に面倒でも何でもないのだけど、在庫があるのになー、とは思ってしまう。
夜、ケーブルで『寝ずの番』を観る。マキノ雅彦(津川雅彦)監督の最近の映画で、落語家の師匠が臨終間際に妙なこと言うから周囲が振り回されて…という話なんだけど、まあ、どーというこたーなくて、何で「R-15」指定なのかわかんないんだけど、台詞が結構きわどいからかも。でも決して下品なモノではなくて、かわいいと言うか愛嬌があると言うか。たぶん、こんな戯れ言や歌が満載だからなのだろう。
♪しょ、しょ、しょっじょじゃない、しょじょじゃないしょーこには、つんつんつきのモノがなーい、おなかが出ぇてぽんぽこぽん!
みたいな(ショジョ寺の節でね。ショジョ寺の漢字がわからん!)
江戸から昭和初期にかけてあったであろう「お座敷の戯れ歌」は、上品ではないけど下品とも呼べない、からりとした性賛歌が多かったのだろうと思う。いまでもなのかどうかはわからないけど、少なくともそれらを「女性蔑視」とか「反教育的」とかいう観点で眉をひそめる人はいなかったんじゃないのかなぁ。
三味線のちんとんしゃんという音色がこんなに心地いいものだったとは、と今さらながら思ってしまう映画でもあった。こういう戯れ歌がまた合うんだ、おもしろいことに。三味線を向き合わせて謡う「歌合戦」もよかった。堺正章好演。中井貴一と木村佳乃も意外にいい喉してるし。ちょっと三味線習いたくなるよ。